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• 2017/ 10/ 23 (月)

  日時・会場 2017年11月12日(日)9;00~17;30
      KKRホテル 会議室

      名古屋市中区三の丸1-5-1 ☎(052)201-3326
会費(当日) 会員¥6、000   非会員¥10、000円
--------プログラム―――――――――――敬称略
9;30;会長挨拶・講演                座長 吉峰一夫
① a最近の歯科情勢と今後を読む
  b[歯を磨いてはダメ!」歯ブラシの検証          伊藤輝夫
② 抜歯と診断した症例-わけありで保存した歯の実際      山本高嗣
③ インプラント施術しておられる、また今後行う先生へ     成田青重
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐昼食(幕の内弁当)・総会‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
④創傷治癒の温故知新、細胞賦活活性薬を用いて開業歯科医の立場からMI、
 ストレスフリーを目指して                  鈴江義彦
⑤私の歯科臨床の基本理念                   丸山利彦
⑥歯科における禁煙支援の意義と役割              稲垣幸司
終演;17;30

 

第34回日本歯周外科学(名古屋)研修会・抄録集

① a.最近の歯科情勢と今後を読む

                         名古屋市 日本歯周外科学会

                                 伊藤輝夫
 歯科界が変革、いや日本、世界が変革しつつあります。私達歯科医療を担う者としても日々の変化に順応・対応しなければなりません。歯科臨床の場における意欲の低下、意気消沈気味が仄聞されていますが、これでは道は開けません。
最近の厚労省ホームページによると、8020は39%に達し、40~60歳代の有歯率は60~70%に達しつつあります。また乳幼児のう蝕の減少(0.8~9%)、青少年のう蝕の激減と早期受診が増え、歯・口腔の健康意識が高まり、適切な口腔管理が行われれるようになったことによるもので、これは一重に歯科医療従事者および関連企業の努力の賜物によると確信しています。将来的にう蝕による抜歯は無くなり、一方高齢化とともに軽重の差はあるが歯周病の蔓延率は80%を推移していると言われている。
政府は産業競争力強化法(2013年6月14日閣議決定)に基づき、低迷する経済の打開策として、過剰規制について、安倍総理は「岩盤にように固まった規制を打ち破るには、強力なドリルと、強い刃が必要であり、自分がそのドリルの刃になる」旨の発言をしている。これに鑑み、規制緩和の一環として「グレイゾン解消制度/現行の規制の適用範囲が不明瞭な分野を解消」の推進、各種規制改革などにより、健康増進⇒サプリメントの氾濫、ジェネリック薬品の開発、歯科関係は口腔管理、歯・口腔疾患の予防、メインテナンス事業の申請制度の推進、デンタルサロンの事業化など推進されている。また、歯科疾患は自己責任として,cure→careの時代に突入している。一方、高齢化社会における医療の高度化に伴い医科・歯科連携の推進と歯科医師の資質向上が検討されている。

b,[歯を磨いてはダメ!」歯ブラシの検証

有史前より、人は生きるために、食し、害毒を本能的に排する行動の一旦として、歯・口腔の清掃を自然の営みのなかで習慣化して、進化とともに道具を生み出し、木の枝を潰し、刷毛状にして歯の浄化・清掃を行ってきた。近代化が進むにつれ、自然の物(樹木や動物の毛など)から、化学製品の開発にともない、ナイロン製の繊維(毛/Filament) と毛束(Tuft)が製品化され、植毛台に毛束列とフィラメントの太さ、細さ、長さなど、それぞれのメーカによる清掃道具として、消費者に関心を得るための歯ブラシとしての特長を付けて販売されている。これら現存する歯ブラシの形は、例えるならば「靴磨きのブラシ」、「デッキブラシ」、「食器や家具、トイレ清掃ブラシ」などの形を小型にしたものと同類であると言わざるを得ない。こうした歯ブラシは、解剖学的に消化器官の入口である口腔・歯の機能的形態を等閑視(無視)した物で、個人の歯と歯列の形態的多様性に適した歯の清掃用、即ち「歯垢除去」を主眼にした「歯ブラシ」としては相応しくない。
そこで日常、歯科臨床の場で患者の歯・口腔に接し、自らの経験を踏まえて、効率の良い「歯垢除去」が励行できる「歯ブラシ」の形は如何にあるべきかを深考したすえ、新案開発した「歯ブラシ」を諸兄にご披露し、ご高批賜りたいと存じます。

 

 

 

②抜歯と診断した症例・わけありで保存した歯の実際
― 患者と歯科医の目指すものの違い、隔たりの考察も含めて ―

                         愛知県新城市 山本高嗣

                         日本歯周外科学会認定医 理事

歯科治療は分野的には外科的治療にあたり、歯科医の腕、技術によって多くはその治癒に影響がでるものと思われます。それらは多くの歯科医は心得ており、大学卒業後もさらに臨床や専門分野に身をおき、自分自身の為、あるいは患者のために、日々勉強、研鑽し、「起きている時間の多くを歯科関連に費やしている」という先生方がほとんどであると思います。

周知のとおり、今日の歯科医療また今後の情勢としては決して明るいとはいえない状態です。多くの先生方もストレスを感じていることと考えられます。単に歯科医師過剰や保健医療費の引き締め以外にも
① 高齢患者が多くなり、身体的 医学的、歯科医学的なハンディーのほか、脳科学的、心理学的な考察が必要な患者  いわゆる頑固な?患者が今後増えていく可能性
② 歯科医院の過剰により、歯科医院の患者呼び込みのための過度な宣伝、サービス、対応により「よりわがままな患者」の出現の可能性
③ インターネット SNS などの普及により 「中途な知識」をもつ患者層の誤った判断による歯科医療への不満や不信感の増加なども今後は考える必要もあるのでは?と考えさせられます。
今年初めには、岐阜県で 「患者が歯科医を刺殺する」という大変痛ましい事件も起きてしまいました。「抜歯されたのが不満」とは新聞に掲載されていましたが、「抜歯の基準」は医院によっても、また「同一歯科大でも教室によって違う」なんてことはよく耳にします。もちろん医療技術の獲得、習得は必要不可欠ではあるのですが、開業している身としては、「それで安心」とはいかないのが現状です。
そこで今回は少し趣を変え、「技術的にこう改善しました」というよりは、歯科医としては「ちょっと不満」、あるいは「不安の残る」症例ではあるが、「こんな患者にはこういう対応、治療をしました」というような当院での実際の症例をご紹介させていただければと思います

参考文献; 伊藤輝夫 :抜歯診断根拠の世界基準 インプラントジャーナル
2012 50 夏号 別冊
A Novel Decision-Making Process for Tooth Retention or Extraction
J.Periodontology,March 2009,Vol.80.No3,Pages476-491

③インプラントを施術しておられる、また今後行う先生方へ

                          大阪府高槻市 成田青重
大阪府高槻市 成田青重
インプラントが一世を風靡した時がありました。残念な事に失敗に関する事柄が新聞、週刊誌で取り上げられています。一部誤解の多いことも事実です。日本では、高齢化による口腔ケアーの重要性が叫ばれているのは周知のとおりです。比較的、義歯は問題が少ないのですがインプラント等の顎骨内を利用した補綴物では様々な問題が山積しだしております。私も体調を壊してからは手を引きました。現在義歯に専念しております。その中で特にインプラントに関する事柄で起こりうるであろう事を述べてゆきたいと思います。

④創傷治癒の温故知新、細胞賦活活性薬を用いて開業歯科医の立場からMI、
 ストレスフリーを目指して

                         大阪市豊中市 鈴江義彦

まもなく平成30年、そして私自身卒後30年、社会情勢や歯科医療界の変遷に伴い少子高齢化も顕著となり患者さんも多種多様となってきました。歯科治療時、外科的な処置である難抜歯(主に下顎骨骨性水平埋伏智歯)、GA,AAの切開、縫合処置、インプラント埋入手術、歯周外科処置など患者さんに外科的侵襲が加わる事は避けて通れない。

そこで数々の歯科材料,薬品,手術技法を駆使していますが、ステップアップとして歯科医としての裁量権のもと他の薬剤や処置方法を創意工夫した場合,以外と存在するものであります。良好な治癒を期待すべく最小限の侵襲で患者サイド,ドクターサイド共にストレスフリーの成立が肝要ではないかと思います。今回、昔の古い(戦前)薬剤でありますが現在第3類医薬品として市販されている細胞賦活用薬(ルミンA)をオペ時に局所応用することにより良好な結果が得られたので報告すると共に開業歯科医として30年、40年、50年と末永く歯科医療に携われるように現実的、哲学的に探究したいと思います

⑤私の歯科臨床の基本理念

                          石川県金沢市 丸山利彦

私達臨床医は、日常多くの患者の口腔内を診ていますが、50年程前よりモダンデンティストリーの名のもと一口腔一単位として診る診療が日本の一般歯科医療にも少しずつ浸透してきたといいます。しかしながら、当初の間違った一口腔一単位治療は、歯科医院の暴利という形となり、そんな医院を摘発すべく民間団体が設置した「歯科110番」まで現れました。
一口腔一単位の治療を進めていくことは、歯科治療を行う上で大変意義ある素晴らしい事ですが、何故にこの様な事態にまで至ったのでしょうか。
今、私達はもう一度その事を思い出し、検証していくことが必要ではないでしょうか。
私はこの出来事の原因は不良補綴物云々ではなく、歯周炎治療の不徹底にあったと思います。
歯周炎は、根尖性歯周炎と辺縁性歯周炎に大別されることは周知の事実ですが、治療にあたり、この基本治療といわれるものがなおざりにされ、1口腔一単位の大がかりな全顎治療が行われたりすれば、砂上の楼閣の如く崩れ去ることは自明の理です。高額な治療費にもなりトラブルが頻発したことは予想だにしないでき事でした。
それでは、昨今の歯科事情に目を向けてみます。
さて、手元にある歯科業界雑誌を開くと、インプラントの記事が溢れんばかりに掲載されています。そして、このインプラントの登場で以前にも増して歯科治療費の高額化は進んでいます。言うまでもなく、インプラントの埋入前に残存する歯牙の歯周炎の有無を検査し、又咬合についても術者の習熟度に見合ったレベルの検査が必要でしょう。咬合については術者毎に技量の差があるためここでは差し控えます、それに中心位の採得云々等を述べていては紙面などいくらあっても足りません。まして私ごときが論述できるものでもありません、ただ40年近く前よりドーソンの荷重負荷試験を行い咬合の安定化を計っています。
検査が終わり治療を始めるにあたり、まず基本治療を徹底して行い、残存歯牙の歯周炎が完治したのちに埋入する、これはインプラント埋入直後3ヶ月に起こり得るリスクの高い初期感染からインプラントを守ります。埋入後も残存歯とインプラントの徹底した歯周炎、インプラント周囲炎の予防管理が必要であると、、、
以上の様なことは書く必要がないであろうと思います、歯周外科学会の年次総会であり歯周病に対してはスペシャリストの先生方ばかりなのですから。
しかし、失礼ながら付け加えて敢えて書かせて戴くと
「先生方はご自身の口腔管理に自信を持っていますか?」、とお聞きしたいと思います。
ある研修会での出来事です、私の横に日本口腔インプラント学会の指導医が座りに来て自分のコンピューターの中の口腔内写真の画像を見せてくれました。
「先生、どれがインプラントかわかりますか」、私が「これでしょう」と答えると「さすがですね、それじゃこれはどうですか?」次の写真を見せられて驚いた。上下顎全体に慢性辺縁性歯周炎による腫脹が診られるのです。私は即座に「わかりません」と答えました。暫くして呆れて言葉がでませんでした。他にも何人かのインプラントロジストが全く歯周炎に対して無頓着にインプラント治療を進めている現状を見たり、聞いたりしています。ただ単にインプラント治療を進める事だけを目的としている姿勢に、憤りを感じざるを得ないのです。
昨年の11月8日NHKの人気ニューステレビ番組 ニュースウオッチ9で「インプラントで顎の骨が溶ける」というショッキングな話題が報道されました。
ここでは、「インプラント治療を受けて3年以上経った人の40%余りが、細菌に感染することで顎の骨が溶ける(インプラント周囲炎)などになる人が増加。」と説明され、我々インプラントロジストとしては甚だ不名誉な報道が、又してもなされてしまいました。
一口腔一単位治療では、まずあらゆる角度から検査を行いブループリントの制作も行い、基本治療を十分行う事が必須ですが、次に必要があれば矯正治療そして補綴処置でした。しかし、現在はそれに加えてインプラント治療という高額なオプションが加わったのです。
第二の「歯の110番」が騒がれる時代にはしたくないものです。
当初の時よりも治療費の高額化は大きく進んでいます、あの時よりも一つ爆発すれば大きなものになる可能性を秘めているように思えてなりません。では、どのようにして回避すべきなのでしょうか。
健全な口腔を維持するためには、まず感染予防であり、適切な咬合のコントロールです。
咬合の安定化には多種多様なそれに拘わる症例があり、その治療法も各術者によって異なります、術者の技量によってはテクニカルエラーが生じて問題が出てくることもあると思われます。 しかしながら、感染予防は私達歯科医師自身が真剣に取り組めば100%とは言えずとも低下させることはできるはずです。
近年、歯科衛生士が活躍する時代となり望ましい事ではありますが、その上で旗を振るのはあくまで院長の手腕です。彼女らがいくらプラークコントロールやキュウレットを真剣に臨床の場で行いたいと思っていても、院長が診療体系のなかの一旦として、しっかりとした形でそれらを組み入れていかなければ、それは不可能です。
我々はもっと自らを律して真剣に遠い昔より言われ続けているプラークコントロールと真摯に向かい合い、真剣に臨床の場で取り組まなければならないと思うのです。
そのためには、まず自身のプラークコントロールがしっかりできていることが必須条件です。もう一度お聞きしますが、「先生方はご自身の口腔管理に自信を持っていますか?・・」
自らのプラークコントロールができずして、なぜに他人のプラークコントロールを成功させることができるのでしょうか。
私はこの口演で当院でのプラークコントロールの実際と、フロッシングテクニックについてお話したいと思います
そして、最後にお伝えしたいことは、私の口腔内をいつ赤く染めても一面たりともプラークの付着部位が見つかったことはありません。

⑥歯科における禁煙支援の意義と役割

                            名古屋市 稲垣幸司

                  愛知学院大学短期大学部歯科衛生学科,禁煙心理学研究会,

              子どもをタバコから守る会・愛知

3年毎に行われている国民生活基礎調査によると、入院者を含まない医療機関への通院者率(人口千人あたりの人数)で、確認した2001年以降、男女とも、口腔疾患は、歯の病気(う蝕、歯周病)として、上位ベスト5以内にランキングされている。すなわち、う蝕や歯周病、それ以外にも、歯列不正、顎関節症などを主訴として、歯科医院や病院歯科に訪れる人は実に多く、必然的に喫煙者や喫煙者を家族にもつ受動喫煙や三次喫煙による健康障害者が来院していることになる。
一方、2016年国民生活基礎調査によると、成人喫煙率は、19.8%(男性31.0%、女性9.5%)で、ほとんどの年齢階層で低下するも、成人喫煙者は、おおよそ2,000万人と推定されている。2007年の禁煙外来に関する調査によると、禁煙外来を実際に受診したのは、喫煙者のわずか3.6%であり、さらに、中央社会保険医療協議会の報告書によると、禁煙外来受診者の9か月後の禁煙成功率は、2008年32.6%、2010年29.7%とおよそ3割程度で、その後は、さらに低下している可能性もある。
このような調査から、国民のおよそ2割の喫煙者の内、1/4ができればやめたいと思いながら、禁煙外来を受診するのは、ほんの5%弱で、さらに、9か月後で禁煙継続しているのは、約3割と推測される。したがって、この1,970万人と禁煙継続中の30万人、それ以外の未成年喫煙者、不特定多数の受動喫煙や三次喫煙による健康障害者は、禁煙外来以外の医科や歯科外来、薬局、保健所などを訪れることになる。その各々の現場で、特に現行では歯科は「ニコチン依存症管理料」の対象外であるが、予期せぬ歯科での禁煙支援の働きかけの意義は重要である。すなわち、歯周病やう蝕と喫煙の関連性ならびに歯科での禁煙支援の有効性のエビデンスが明確であり、歯科は医科に比べて喫煙や禁煙による影響を視覚化して伝えやすく、かつ、医科に比べて年齢の若い喫煙者に対して禁煙の働きかけを行える特徴がある。
したがって、歯科医院や病院歯科を訪れたほんの一部の喫煙者が禁煙に成功するだけでも、大きな意義をもち、さらに、禁煙外来での禁煙治療中や禁煙継続中の患者さんの歯科医院や病院歯科来院時の禁煙支援のサポートは効果的である。
本講演では、このような現状を踏まえた上での歯科における禁煙支援の意義と役割について呈示する予定である。

 

カテゴリー: お知らせ
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